不動産をどう分けていいのか分からないから専門家に相談したい！

前妻の子ども

すみません、相続の話がなかなか進まないので、お時間をいただいたのですが…父の家はこれからどうするつもりですか？
後妻

いことこの家に住んできましたので、このままここで暮らしていきたいと考えています
前妻の子ども

お気持ちはわかりますが、この家の半分は私に権利があるので、その分をお金で支払ってもらえるのでしょうか
後妻

この家以外にも、貯金が2,000万円あるので、半分の1,000万円をお渡しすることで何とかしてもらえないでしょうか
前妻の子ども

この家は、高級住宅街ですから、今でも売れば6,000万円は下回らない価値があるって聞きました。それじゃあまりに不公平じゃないですか？
後妻

こんなボロボロの家、そんなに高くなるはずないじゃないですか！　だったら、この家を売れってことですか？
前妻の子ども

そういうことではないんですが…どうしたらよいのだろうか…

民法で定められている相続の割合

１２

後妻
12

前妻の子ども

遺産の内容

預貯金
2,000万円
土地・建物
6,000万円
株
0円
保険
1,500万円（受取人：後妻）
その他
なし

弁護士からのコメント

前妻の子ども

家にそのまま住む場合、どうやって遺産をわけたらいいんでしょうか？
弁護士

遺産に不動産がある場合，売ってお金にする場合には，売却金額から費用を差し引いた残りを法定相続分に応じて分ければ良いのですが，そこに住み続けたいので売れないという場合には難しい問題が生じます。預貯金や保険金が沢山あれば，そこから多めに分けることで解決することも可能ですが，預貯金等が少ない場合には，お金による調整もできません。たとえば本件の不動産の価値が本当に6,000万円以上あるとすると，後妻の方だけでなく相談者にも法定相続分２分の１の権利があるわけですので，不動産の所有権を後妻の方が単独で相続するには，後妻の方は3,000万円を相談者に支払わないとならないわけです。
前妻の子ども

わたしにもちゃんと権利はあるんですね！
弁護士

一方，民法の改正により，配偶者居住権というものが創設されたため，本件のような場合には一定期間居住することが可能になりました。配偶者居住権が設定される場合には，後妻の方は家に住み続けることができる一方で，相談者は不動産の所有権を通常より低い価格で取得することになります。後妻の方が死亡した時点で相談者が売却等をすることができることになります。
前妻の子ども

へー！
弁護士

いずれの場合においても，不動産を売却せず，お金で解決する場合には，不動産をどのように金銭的に評価するかという問題があり，これを避けることはできません。不動産の評価には路線価，公示地価，固定資産評価などの様々な評価方法があり，不動産業者による簡易査定だけではなく，不動産鑑定士による不動産鑑定が必要になることもあります。

不動産の相続においては，以上のような様々な観点から，解決方法について検討する必要がありますので，早めに弁護士に相談することが望ましいといえます。
前妻の子ども

不動産鑑定なんて誰に相談したらいいんですか？
弁護士

相続弁護士オンラインでは，大手不動産会社の仲介業者や不動産鑑定士とのネットワークがありますので，不動産の相続において適切な解決を行うことが可能です。
前妻の子ども

安心しました！